総利益から考えてみよう
(原田経営事務所 原田淳二)

提言者 原田経営事務所 原田淳二

 「人件費は売上高の何パーセントにすればよいか?」という質問をよく受ける。実際のところ各界の経営指標には、人件費対売上高比率という指標が必ず出ている。また、様々な記事にも売上高対比の人件費で経営を論評したものをみる。しかし私はこのことには多少の疑問を感じている。

<人件費対売上高の事例>

  A 商 店  B 商 店
  単位 万円 万円
売 上 高 5,000 100.0 5,000 100.0
売上総利益 1,500 30.0 1,250 25.0
人 件 費 750 15.0 750 15.0
その他経費 700 14.0 700 14.0
営業 利益 50 1.0 -200 -4.0
 上の事例を見て頂きたい。どちらも業種、規模とも同程度である。人件費も諸経費率も、また金額も同じである。しかし結果はA商店は50万円の利益を計上し、B商店では200万円の赤字を生む結果となっている。
 最近は企業が選別される時代である。したがって経営環境を整備することが重要である。B商店はA商店の給与水準に歩調を合わせてきた結果である。
 もしも、B商店が売上高対比だけで人件費を考えるのではなく、今一歩進めて売上総利益対比で問題を検討していれば、業績は違ったものになっていたのではないだろうか。総利益対人件費ではA商店50%、B商店は60%になる。人件費に750万円が必要だとすれば、
 人件費750万円÷人件費目標50%=必要総利益1,500万円
 必要総利益1,500万円÷総利益率25%=目標利益6,000万円
 以上の計算によって、稼ぎ出さなければならない目標がはっきりしてくる。利益率を高める商品開発の探求。一人当たり売上目標。毎日の売上目標。顧客の満足度を高める経営姿勢とは?。従業者が心から行う接客態度と意欲の向上を図るには?。目標と計画をもって、経営を方向づけて実践することが生き残りと発展の道ではないだろうか。                 
 (1998.12.1)