経営者の方々への提言
(小川経営開発研究所 代表 小川庄一)

1.はじめに  

 不況長期化は現実になったようだ。日本経済をリードしてきた、電気、自動車業界の98年中間期の発表は、大手企業が軒並み前期(98/3期)より急激に悪化している。この影響を受け、これら業界の関連下請企業もリストラの対象になって多くの失業を余儀なくされている。
 では、それらの中堅・中小企業は自ら生き残る対策・戦略はどのように打っているだろうか。私方研究所が長年のノウハウを活用した実践指導例を公開したいと思う。

2.A社の実践例

 A社はある大手企業の下請中心の製造会社で、昨今の不況で売上げは低下してきた。しかし「座して死を待つ」ことはできず、根本的に経営体質の大転換手術に入った。即ち、売上げは低下しても最終利益が出るための方策をとして、私方との共同戦略のもと、A社の技術開発力をどこに絞り込むかの対応、即ちコア(中核)中心の技術に人材を投入する戦略に転換した。約5ヶ月要したが、その効果が現実のものとなって来たのは、大手企業からの受注形態を開発から製造まで一貫受注することへの転換である。
 これまでは、一般の下請受注を同じように大手企業から設計図をもらって製造のみの受注形態から、この開発を含めた川上から製造までを一括受注する新形態に対して、大手企業もこの戦略にのってきたのである。
 大手企業は昨今の不況と製品寿命の短縮から、次の新製品を開発するのに多くの開発要員と費用を投入することは不可能となっており、世界的な大競争時代の今日、開発を含めた「アウトソーシング」時代へと突入しているなかで戦略転換を迫られている背景にあったようだ。
 これからの中堅・中小企業は、その企業の特化した技術力、開発力にいかに人材を投入できるかである。例えばA社の技術力とB社の技術力は統合できないか。今後はそういった観点での企業提携が急速に進んでいくものと確信している。

3.アウトソーシングコンサルティング

 最近、米国企業の復活にアウトソーシングが大きな役割を果たしている。我が国でも、このアウトソーシングを戦略的に活用うする「支援システム」が確立されつつある。当研究所もこの「支援システム」の中に依頼企業の「企業評価」(日経のNEED・CASMAの活用システム)を応用して、業務の効率化分析のもと、どの部門・部署を外部の高度な専門分野に委託することで「本業にリソース集中するシステム」である。
 この総合支援のアウトソーシング・サービスコンサルタントを行っている。

4.終わりに

 公的資金の投入は一時的延命策にすぎない。根本的には自社企業の企業評価を改革を自らの手で実践することが中堅・中小企業の発展に寄与するものと確信している。
 この提言がより多くの企業経営者に理解いただければ幸いであります。

 (1998.10.7)