コスト高からの脱却は経営トップの腹ひとつ(2)

これまでコスト削減のために何度かリストラを繰り返してきましたが、仕事の質を上げての生産性向上では必ずしもなかったようです。

  景気が本格的に良くなる前の今が、設備と人を抱え込んだ過去の体質に再び戻らぬように手を打つ時期です。工程や業務の中に潜んでいる機会損失を表に出し、有効活用をはかることが高コスト体質からの脱却の第一歩であることは言うまでもありません。

 その成功のための条件は3つ、第一にはトップが体質改善の旗振りの役を担いトップダウンでことにあたること、第二にメンバーの衆知を集めるために経営が握っている情報をメンバーに公開すること、第三に実施の課程と結果について、トップ自身が関心を持ち自分の目でチェックすることです。いづれの条件もトップの腹ひとつでクリヤーできるものです。ひとにぎりのスタッフが情報を握り、計画や指示をするのではなく、稼ぎ手が自ら考え、実行し結果に責任を負う形が一番効果があるようです。また、これが余分な人を抱えられない中小企業に最適なやり方です。

 このことをいうと何人かのトップからは、「うちは人材が育っていないからそんなやり方はできない。」という返事が返ってきます。人は仕事の経験を積むことによって育つもので、仕事の外で教育しても効果がないことを理解すべきです。ただし、メンバーの成長をもたらすような仕事の与え方は、それなりの工夫と忍耐とを要求します。

 開発、製造、物流、販売の各プロセスの中に、価値のないもの、即ち、顧客に対価を要求できない事象を、継続的に追いかけて潰す仕組みを作ることをトップ主導で始めてほしいものです。

(H.9.8.20)