コスト高からの脱却は経営トップの腹ひとつ(1)

景気が上向きつつある といわれていますが、 今ひとつ 実感が伴いませ
ん。 しかし、 元気のなかった中小の製造業も 少しづつ顔色が良くなり、
積極性が見られるようになりました。

 バブルの時代に 見られた、 量で利益を得ようとするやり方は、 もはや
再来しないことを肝に銘じなければなりません。

 消費者は 昔に比べはるかに賢くなり、 要求機能を 充分に持つ商品であ
っても、自分が決めた価格になるまでは、財布の口を開こうとはしなくな
りました。企業の多くは全世界購買をめざし、CALS等の進展によって
ローカルプライスの存在を許さなくしています。

 製造業においては、ユーザーの望むものを早く安く提供することが存続
の条件ですが、現在においても、労務コストや流通コストの高さを克服す
ることが至上課題になっています。その回答は、工程や業務の無駄を除く
ことによる、生産性向上に始まります。

 先端産業と呼ばれる業種においても、先端産業であるが故のタコ壺に
落ち込んでいて、機会損失を存在させていることに気がつかない例があり
ます。また労働集約的な業種においては、まだまだ合理化(むしろ適正化
といっていい)の余地が残されているケースがあります。これらの例は、
経営トップがこれらの事に気づいていないか、間違った情報で判断してい
ることによると思われます。経営者自身が正しい物差しを持ち、自分で
自社の診断をすることが求められています。

 そして自分で改革の処方箋を描き、先頭にたって改革を実行することが
必要です。

 知恵は衆知を集めることができますが、実行は経営トップの意思の所産
です。オーナー企業の多くが元気を失わずに存続できている例は、トップ
自身が現場を歩き、診断し、その企業にとって正しいことを果敢に実行し
得たことによるものです。必要な知恵と情報は、専門家の力を借りてもい
いですが、経営者は改革の先頭に立って下さい。まだまだ指示のみで、
部下に任せきりという姿が残っているようです。

                            (H.9.6.1)